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「退院させんかい!」病院で医師を恫喝するアラフィフ男。妻が看護師から事情を聞くと...<前編>

2024年10月18日

  • ■「退院でええやろ!」医師を恫喝する50代男性


    私が40歳の頃、1カ月少し入院したときの話です。


    潰瘍で入院しましたが、薬のアナフィラキシーもあり、同室の患者さんの中では長居しているほうでした。


    その間、入院患者は次々と入れ替わり、高齢者が多いとはいえ若者や子どもがいたこともありました。


    こんな場では年長者に模範的な振る舞いを期待したいところですが、とんでもない人がいました。


    私の状態はひどく、点滴をして起き上がることもできず、身の回りの世話を全て看護師に頼っていました。


    テレビを見る気力もなく、カーテンで仕切られたスペースの中、窓の外の様子と耳から入る音だけが外界とのつながりでした。


    聞こえてくる会話から分かるのですが、50代の腸閉塞の男性が入院してきました。


    病状を聞くとこちらまで気が重くなり同情しましたが、たびたび訪れる同年代の奥さんや40代と思しき担当医との会話の様子は、尊大で荒っぽい感じでした。


    彼の担当医が来たときの会話はこの通りです。

    「いつ退院できるんや?」


    「まだ今は...」


    「連休は予定が入っとるんや」


    「しかし」


    「お前責任とれるんか!」


    絡んでくる彼に対して、医師は必死で病状を説明します。


    大腸が詰まった状態なので、点滴を外して退院するのは無理です。


    誰でも理解できる内容です。


    それでも男は食い下がります。


    「退院せなあかんのや! ええやろ!」


    「いや...」


    「ええな!」


    「は、はい」


    私は「え? だめだろ?」と心の中で突っ込みましたが、長引く恫喝の中、医師は折れたようで退院処理の話になりました。


    腸が詰まった状態でどうするんだろう、私は呆れました。


    やがて奥さんが来ると、男は退院になったと上機嫌で語り、夫婦で喜び合っていました。


    ※健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
    ※記事に使用している画像はイメージです。

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