【おむすび】あまちゃん、おかえりモネ...過去の朝ドラもやっていない「震災のリアルを正面から描く」意義
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毎日の生活にドキドキやわくわく、そしてホロリなど様々な感情を届けてくれるNHK連続テレビ小説(通称朝ドラ)。毎日が発見ネットではエンタメライターの田幸和歌子さんに、楽しみ方や豆知識を語っていただく連載をお届けしています。今週は「震災のリアルを正面から描く意義」について。あなたはどのように観ましたか?
【前回】結(橋本環奈)が震災を語り始める..."面白さ"優先の定番手法を使わず、震災描写を「事前予告」する理由
※本記事にはネタバレが含まれています。
橋本環奈主演の朝ドラ『おむすび』5週目「あの日のこと」が放送された。
ここまで普通の日常をゆっくりじっくり描き、視聴者も根気よく観続けたからこそ、ここでの震災の回想が心に沁みる週だ。それは、結(橋本)がよく寂しそうな顔をしているのはなぜかという翔也(佐野勇斗)の問いに答える形で描かれる。
1995年1月17日、結たちは阪神・淡路大震災に遭遇する。ろうそくの灯だけの寒く薄暗い避難所で配られたのは、「2人につき1つずつ」のおむすびだった。無邪気に喜んだ結は、一口食べて、またも無邪気に言う。