毎日の生活にドキドキやわくわく、そしてホロリなど様々な感情を届けてくれるNHK連続テレビ小説(通称朝ドラ)。毎日が発見ネットではエンタメライターの田幸和歌子さんに、楽しみ方や豆知識を語っていただく連載をお届けしています。今週は「トキの出生の秘密」について。あなたはどのように観ましたか?
【前回】髙石あかり、岡部たかし、池脇千鶴...役者の力を堪能できた新・朝ドラ2週目を振り返る
※本記事にはネタバレが含まれています。

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とその妻・小泉セツをモデルにした、髙石あかり主演のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』。第3週「ヨーコソ、マツノケヘ。」では、トキ(髙石あかり)と銀二郎(寛一郎)の新婚生活と出生の秘密が描かれる一方、「家」と「血」で縛られる者達の苦悩と愛情が濃厚に描き出された。
トキと銀二郎の新婚生活は、並んで朝日に、出雲大社の方角に向かって手を合わせ、挨拶するところから始まる。しじみ汁の作り方を母・フミ(池脇千鶴)に教えてもらい松野家の味を受け継ぐトキと、トキや司之介(岡部たかし)と同じく、しじみ汁の美味さにしみじみ「ああー」と嘆息してしまう息ぴったりの銀二郎。仕事に向かう道中も仲睦まじく夫婦一緒。これまでずっと一緒だったサワ(丸井わん)が所在なさげに後ろからついていく図に、疎外感と寂しさが滲む。