毎日が発見ネット

毎日の生活にドキドキやわくわく、そしてホロリなど様々な感情を届けてくれるNHK連続テレビ小説(通称朝ドラ)。毎日が発見ネットではエンタメライターの田幸和歌子さんに、楽しみ方や豆知識を語っていただく連載をお届けしています。今回は「高難度の技が詰め込まれた第5週」について。あなたはどのように観ましたか?


【前回】残酷で悲しく愛おしい...トキ(髙石あかり)が「やり直せる未来」を掴まなかった理由


※本記事にはネタバレが含まれています。


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髙石あかり主演の朝ドラ「ばけばけ」第5週「ワタシ、ヘブン。マツエ、モ、ヘブン。」では、銀二郎(寛一郎)との別れから4年、ついにトキ(髙石)が運命の人、レフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)と出会う。異文化との邂逅が描かれた今週は、作り手の腕の良し悪しが明確に見える週だ。


しじみ売りで日銭を稼ぐ22歳のトキ(髙石)は、花田旅館の主人・平太(生瀬勝久)とツル(池谷のぶえ)から外国人英語教師が来ると聞き、サワ(円井わん)と船着き場へ行く。そこで錦織(吉沢亮)と再会。錦織は英語教師をしており、通訳として呼ばれたのだった。


「空を飛ぶ」「頭に皿がある」「金棒で殴られ喰われんように」――松江の人々にとって外国人は、天狗や鬼と同じ、想像の産物だ。しかし、ヘブンが松江に上陸すると、歓声が上がり、トキも「天狗だー!」と叫び、はしゃぐ。その表情に、子役トキが傳(堤真一)のざんぎり頭を即座に肯定、目を輝かせていた様子が蘇る。思えば、「怪談」好きも、西洋の文化への興味も、「わからない存在」への畏怖と憧れなのだろう。


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