毎日が発見ネット

上皇后美智子さまの長年のご親友であり、彫刻家・舟越桂さんの姉でもある末盛千枝子さん。絵本編集者を経て「すえもりブックス」を設立した末盛さんは、84歳を迎えた現在、東京から移住した岩手山を望む自宅でひとり暮らしを送られています。著書『今だからわかること 84歳になって』(KADOKAWA)は、80代という人生の深まりを迎えた末盛さんだからこそ感じられる、日々の発見や生き方の実感が綴られた一冊です。年齢とともに訪れる身体の変化や暮らしの機微をまっすぐに見つめつつ、ユーモアを交えて語られる言葉の数々は、これからの人生を軽やかに生きるためのヒントにあふれています。


※本記事は末盛千枝子(著)による書籍『今だからわかること 84歳になって』から一部抜粋・編集しました。


なまけ者の庭いじり



私の一番初めの庭いじりの記憶はといえば、世田谷の自宅の草抜きだと思います。中学生の頃。何か考え事をしながら草抜きをすると、なんとなく落ち着くのでした。そして、大学1年の時に、カメラクラブの合宿で、十和田湖に行ったのですが、その時、クロユリの球根を買いました。熱心に見ていたわけではないけれど、あの頃、「君の名は」というドラマが流行っていて、その中で歌われていた「黒百合の歌」に刺激されて買ったのかもしれません。めったにそんなことはしないのに、そのクロユリを植えて、大切に育てて、確か、一つぐらいは咲いたのだと思います。


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