離れて暮らす親が病気になったとき、子どもにできることはどこまであるのか――。今回は、九州の実家でがんと闘う父のもとへ、関東から通って看病を続ける41歳女性のエピソードを紹介します。実家で父を看ているのは、幼いころから何かと厳しかった母。少しでも力になろうと帰省を重ねる娘に、母はある言葉を投げつけたのでした。
「自分の考えが絶対」な母の言うなりだった私
物心ついたころから、うちの母はよその家と比べて厳しいなぁ、と思っていました。
母は小さなことで激昂し、一度お説教が始まると、1時間でも2時間でも私を立たせたまま叱ります。口を挟んだり反論したりすれば、そのぶん長くなるだけ。ひたすら怒鳴られながら時が過ぎるのを待つ、そんな苦痛な時間をたくさん過ごしてきました。
根っからの性悪ではないと思うのですが、母はとにかく「自分の考えが絶対」の人で、周りの意見に耳を傾けません。いつのころからか、家族の中で母に逆らう人はいなくなり、母の怒りが静まるのを待つか、自分の意見を曲げてでも母に従うか。家族みんなが、そんな暮らしをするようになりました。